2016夏合宿 沢登り隊 聖沢本流(敗退)

日付

2016年8月11日(木)~2016年8月14日(日)

山域

南アルプス

メンバー

大塚、増田

概要

2016年夏合宿沢登り隊は4日間の予定で南アルプス聖沢本流に挑んだ。結果は3日目に高巻き中に高度を上げすぎて登山道に出てしまい、それまでの遅れもあって遡行を打ち切り。直接的な敗退原因はルート誤りだが、渋滞やバス待ちなど含めて計画不足にあったと思う。もう一つ意気込みも足りなかったかも知れない。

行程

2016年8月10日(水)
23:00登戸集合。東名に入るなり渋滞35kmの表示。しかしまさかこの時点では到着が朝になるとは考えもしなかった。
2016年8月11日(山の日)
4:00頃新静岡IC – 6:00畑薙臨時駐車場 – 6:30バス列に並ぶ – 9:45バス乗車 – 10:45聖岳登山口にてバス下車 – 11:00聖沢入渓 – 11:45日陰沢出合 – 16:15 吊り橋出前BP
朝4時頃新静岡ICを降りて静岡支部の望永さんの激励を受ける。その後ほとんど他の車に出会うことなく畑薙に到着したが、駐車場はほぼ満車であった。すでにバス待ちの長蛇の列。6時半に始発のバスが出る。とりあえず列に並び、朝食をとる。大塚は少し仮眠させてもらうが、9時頃にTJARのトップ選手の望月さんが来るとのことで起きて待つが、姿が見えず。9時45分にバスに乗車する。ゲートを過ぎた頃に望月さんとすれ違う。声をかけられず残念。
運転手に新聖沢橋で下してもらうようにお願いしていたが素通りされ、聖岳登山口で下車する。少し歩いて戻り、新聖沢橋から下降する。まだ沢というより川といった広さだ。装備を整え、河原を歩く。出発時間が想定よりも大幅に遅れてしまったため、目的を登山道と交差する吊り橋付近と定めて歩く。3時間ほど歩くと大きな釜をもつ3m程度の滝に出会う。流れが強く水流沿いでは近づけないため、左岸上部に見えるバンドに沿って高巻きを試みるが、岩がもろく、想定よりも高く巻くこととなった。2回の懸垂で川底に戻ると16時を超えていた。急いて今日の寝床を探す。


快適そうなビバークポイントを見つけ、タープを張る。焚き木は豊富だ。増田さんがヤマメを3尾釣り上げるが、最終的に1尾のみ夕食のおかずとした。今夜はYさんの差し入れの横浜海軍カレーだ。
2016年8月12日(金)
4:30起床 – 6:00遡行開始 – 7:00吊り橋 – 8:00取水堰堤上の大垂 – 11:30 大垂落ち口 – 12:30巨岩帯を抜ける – 14:45 崩沢出合い手前BP
吊り橋を超えた地点でくつろいでいる4人パーティに出会う。昨日吊り橋より入渓し、大垂を超えられずに戻ってきてビバークしたとのこと。今日は登山道を聖平まで散歩するという。彼らが沢であった唯一のパーティであった。大垂が遠望できるようになると手前の堰堤も同時に目に入ってきた。大滝直下に堰堤。後に大滝の上には巨石がごろごろしているのを確認したが、これらが落ちれば施設のダメージは大きいと思うが、どうしてこんな場所に造るのかと不思議に思う。また修理中のようで重機が運び込まれていたが、こんな場所にどうやって運び入れたのかも不思議に思う。


大垂は左岸から高巻く。先のパーティはどのルートを辿ったのか踏み跡はなし。25m懸垂してからトラバース、最後に3m程度の空中懸垂で落ち口近くに戻る。他にルートがないのではと思うくらい絶妙で沢底に降り立ったときは爽快だった。
ここからは巨岩連爆帯となり、シャワークライミング多数、ボルダー的ムーブを要求される楽しいルートとなった。時にパートナーを踏み台にしながら2人で協力しながら先に進む。次第に河原状になり、ゴルジュ地形に入り込む手前で今日の行動を打ち切ることにした。
昨日より更に快適な寝床を見つけ、タープを張り、釣りに焚き木拾いに繰り出す。今夜も控えめにやまめ1尾のみ食卓に追加し、ずぶ濡れの身体を乾かしながら明日に備えて休養する。夜中に雨が降った。
2016年8月13日(土)
4:30起床 – 7:00遡行開始 – 7:30CS – 11:30登山道 – 13:00聖平小屋
ここまでで丸1日分の遅れとなっているので山頂へ抜けるのは難しいと判断し、聖平までの遡行を目標に行動開始する。すぐに10mほどのチョックストーン滝が行く手を阻む。見事な挟まり具合で高巻きルートを探すが、右手は絶望的。左手は悪そうな斜面だが、上部がバンド上になっていて、なんとか超えられそうだ。増田さんトップで挑戦する。が、予定のルートから少しずつずれて2ピッチ目で断念。途中から大きく戻り、大高巻きに方針転換する。すると明瞭な踏み跡を発見。なんだ、そういうことかと納得しながらどんどん高度を上げる。そろそろ戻るルートを見つけなければと思いながら、目の前の歩きやすいルートを体力任せに登る。
少し上げすぎたか、と話しているうちに登山道に合流。
一気に脱力してしまい、ここで遡行を打ち切ることにした。聖岳まで往復しておこうかとか、このまま茶臼岳まで縦走しようかなどと話しながら歩くが疲れが溜まっているのかペースが上がらず、聖平で行動打ち切ることとした。
テントサイトは賑やかだった。端の方にタープを張らせてもらい、ゆっくり休息する。夕方から雨。夜中は風も出てきた。
2016年8月14日(日)
3:00起床 – 4:30下山開始 – 9:00聖岳登山口 – 13:00畑薙臨時駐車場 – 14:00川崎に向け出発 – 21:30川崎着
目が覚めても雨だった。小屋で仕入れた天気予報によると晴れ予報であったが、一度落ちた気持はなかなか上がらない。このまま下山することにした。ほぼコースタイムで下山。登山口に戻ると快晴であった。延々と林道を畑薙ダムに向けて歩く。途中(どのバスか分からないが)合宿縦走隊を乗せたバスが追い越していった。この差がこの後の明暗を分けることになる。
駐車場に辿りつき、白樺荘で入浴して川崎に向かう。東名に乗ると御殿場から大和トンネルまでまさかの「渋滞60km」。南アルプス南部は登山口までのアプローチが非常に長いということを実感した山行であった。

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