谷川岳 一ノ倉沢烏帽子沢奥壁 中央カンテ

カテゴリ

会山行

日時

2012年9月8日(土)

山域

谷川岳

メンバー

L長島、中野、望永

行程

9月7日(金)
20:00横浜駅で長島さんと合流。長島車にて谷川岳ロープウェー駐車場で仮眠。中野さんは、富山から先に谷川へ到着。土合駅で仮眠となる。
9月8日(土)
4:00ロープウェー駐車場~5:00一ノ倉沢出合~7:30中央稜基部~8:00登攀開始~15:30烏帽子岩基部(終了点)~16:00中央カンテ下降開始~17:30四畳半テラス
4:00 中野さんと駐車場で合流。大貫さんに見送られて出発。
5:00 一ノ倉沢出合。一ノ倉沢はガスがかかっている。時折全景が見え大きさに圧倒される。ハーネスをつけ、沢沿いを詰める。途中右岸のブッシュの踏み跡をたどり、ヒョングリの滝手前から右岸に入る。テールリッジ末端下の沢床へ懸垂下降する。前に7人組のパーティーがおり、しばし待つ。テールリッジは、フィックスロープが張られている。衝立岩を眺めながらスラブを進む。


7:30 中央稜基部到着。最終準備。衝立岩、烏帽子岩、2ルンゼ圧倒されるような景色だった。
8:00 ガスは晴れ青空となる。烏帽子沢スラブから中央カンテ登攀開始。トップ長島さん、望永(ビレー)、中野さんの順番。烏帽子沢奥壁に取りついたのは我々のパーティーのみで、他のパーティーは南稜を登っていった。
最初の2Pは凹状岩壁を登る。このピッチは落石が多いと聞いていたので少し緊張したが順調に登っていく。浮き石や引っ張ると動く石が多く静かに登った。各ピッチのビレーポイントにはボルトやスリングがかかっており、明確だった。3P目バンドを左上しカンテに出る。4P目のカンテも順調に登る。
ここから変形チムニーのルートと合流。5P目ルンゼからチムニー、フェースを登る。ランニング用のハーケンは、必要最小限にしか打たれていないような印象だった。チムニーを抜けるところが難しく、人口で登る。ランニング支点であるスリングをつかん荷重をかけたところでハーケンが抜けた。6P目バンドからフェースを登る。7ピッチ目、ハング左のクラック、凹角を登る。ここではランニング用のハーケンも少なくナッツを2つ使った。浮き石も多くかなり緊張し時間がかかった。
核心のピッチを登りおえ、8P目スラブから凹角を登る。時間が気になりだし代表に電話を入れる。80周年記念登山懇親会になんとか間に合うようにと先を急ぐ。 9P目草つきから左上ピッチは切らずに50m伸ばした。10P目烏帽子岩の基部を左に回り込みルンゼにはいり15:30登攀終了。
ルンゼから左にうっすら踏み跡があったのでたどりながらも、北稜から下降することを考えて稜線に向かって笹藪を進む。踏み跡は見つからず、反対側は切れ落ちている。岩が立ちはだかり、右の北稜へ進むこともできなかった。しばし下降路を探すも見つからないため、このまま中央カンテを下降することになった。
終了点は支点が2つだったため、ひとつハーケンを打ちたし、16:00中野さんを先頭に下降開始。ロープを下に投げるも、途中の岩や木に引っ掛かり、まっすぐには落ちない。ロープをほどきながら進む。疲れと緊張とでもたついてしまう。2ピッチ下降したところで17:30。これ以上下降しても、3人が座れるようなテラスはないためここでビバークすることになる。


代表に連絡を入れ、セルフビレイをとって雨具を着て、ツエルトをかぶる。外はガスが立ち込めていた。南稜でもビバークしている人がいるのか声が聞こえた。朝からの行動、難しいルートで身も心も疲れていたので、座ったまましばしウトウトする。
19時ごろから雨が降り出す。とても冷え込んだ。20時ごろからは雷。時折聞こえる雪渓の崩れる音や自然落石の音がとても怖かったが横になるスぺ-スもありおかげで眠ることができた。
4:30起床。心配していた雨は上がっている。中野さんにおにぎりを分けていただき、行動食を口に放り込む。準備をして5:30に下降開始。下から登ってくるパーティーがいなかったのが救いだった。懸垂支点は、古くて怪しいスリングは、つけかえたり、足したりしながら下降。ロープの絡まり、架け替えなど1ピッチを下降するのにも時間がかかっていたが、次第に慣れてきたころで全10ピッチの下降が終了。
9:30中央稜の基部に着いた。すっかり晴れて、一の倉沢の出合がはっきり見えた。途中、中野さんが代表に電話を入れると、皆さんが一ノ倉沢出合まで来てくださっているとのこと。テールリッジを、フィックスロープを使って下降。テールリッジから雪渓までは25m懸垂した。ヒョングリの滝の登りかえしは、フィックスロープにプルージックで登った。
12:00一ノ倉沢の出合に到着。布田代表と、中村薫さんが迎えてくださる。改めて一の倉沢を眺めて、心から安心した気持になった。
皆さんからの差し入れで喉をうるおし、13:30駐車場に戻った。林屋旅館でお風呂を頂き、ラーメンとチャーハンでおなか一杯になって帰宅した。



(感想)今回、長い10ピッチの登攀+ビバークと、ものすごい体験ができた登攀でした。夏合宿に引き続き、長島さん、中野さん本当にありがとうございました!
帰ってきてから先輩たちからのたくさんのお言葉に、いかに身の程知らずに取りついてしまったかを思い知りました。山を知ること、岩質や、山のルートを知っていることなど、一の倉に向かう前にたくさんの知るべきことやるべきことがあることを教わりました。登りの難しさ、これは練習するしかない!練習の大切さを感じました。時間についても考えさせられました。登る時間はもちろん、ビレイ点に着いてからのセット、ロープワーク、懸垂のセットなどなど一つ一つの動作を早くすることが、登攀が成功する鍵になると思いました。それにしても、皆様にはご心配をおかけしました。(望永)

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