越後 水無川北沢

期  日:2003年10月11日~12日
メンバー:L中野 宮脇

10月11日(土) 晴れ

前夜川崎から関越自動車道で水無川三山公園に入り仮眠。
朝、6時前に起床。舗装が切れた道路を偵察の結果何とか車で入れそうなので、オツルミズ沢出合まで車で入ったが、十二平には空き地があり何台かの車が駐車してあった。

7:10
 オツルミズ沢出合出発。
 水無川左岸につけられた踏み跡を辿りデトノアイソメへ。
 デトノアイソメ手前に藪で踏み後が分かりづらいところがあった。

8:30 デトノアイソメ 休憩 9:00発
 ここから、御月山沢出合手前のゴルジュまでは楽しい河原歩きが続く。
 暗峡は、腰まで水に浸かり浸かり突破した。

10:00 御月山沢出合手前のゴルジュ帯
 右手のルンゼから高巻を開始。身体が慣れていないせいか一気にブレーキが掛かる。
 やがて御月山沢出合のスラブ手間に差し掛かった所で懸垂用のスリングが掛かったブッシュが幾つも現われる。下を見ると雪渓のシュルンドが口を開けている。何となく降りる気になれず更に登り気味にトラバースを続ける。この先は、スラブになっているため行き詰る。少し下のブッシュに支点を求め懸垂下降し雪渓の上に降りた。

12:30 御月山沢出合(スラブ手前の雪渓上)
 雪渓が架かる滝に行く手を塞がれるため、小ルンゼより高巻き開始。ルンゼを登り始めたとき、先程のシュルンドが崩落しすざましい轟をあげた。命拾いをした。
急な斜面にスリップしそうになりながら必死にブッシュを掴みトラーバースする。
 勢い上へ上へ追いやられる。途中のルンゼを降りて高度を修正しながら藪漕ぎを続ける

15:00 高巻き終了。沢に降りる。
 この時点で、今日中に関門の滝の突破は断念し幕場を探しながら歩みを進める。
 西沢出合の河原にテントを張り行動を打ち切る。

15:30 西沢出合
 多少凹凸があるものの横になって寝られることは幸せである。
今日の行動内容から明日以降の計画を組立てるが、月曜日の下山は不可能に近い。
天気予報では連休後半から下り坂なので明日はこのまま下山の選択肢が濃厚になる。
夜10時過ぎ目を覚ますと信じられないことに雨が天幕を叩く音がする。勢いは無く直ぐには増水しそうも無いのでまた夢の中へ。朝3時頃また目が覚め雨音を確認する。
流石に心配になり、天幕から顔を出して周囲を確認するが取り敢えず流される心配はなさそうだ。但し、水流の音が昨日とは明らかに違う。4時過ぎ起床。もう何の迷いも無く撤退を決める。

10月12日(日) 雨のち曇り

6:00 出発
 昨日との違いは音だけではなかった。明らかに増水していて昨日は楽しい沢歩きができたところも、今はルートファインティングに苦労する。3m~5m程の滝を2箇所降りられなくなっていたので、懸垂下降する。

7:30 高巻き開始
 昨日苦労した高巻きを思い出すと気分が重い。ルンゼに入り高巻き開始。雨でスリップしやすくなっているためアンザイレンする。ブッシュでランニングを取りながら進むため安全性は高いが時間が掛かる。御月山沢出合の雪渓上に戻る。ここで問題発生。昨日懸垂下降したところは垂直で登り返すことができない。昨日シュルンドだったところが崩落して埋まっていてトラバースできる。偵察すると奥の滝の落口の側壁から取り付けそうだ。宮脇リードで取付く。ランニングビレー用のハーケンを打とうとするも適当なリスが見当たらないようだ。暫く粘ったが断念。ボルトを打つよう指示したがジャンピングはザックの中らしい。仕方なくメインロープを使って私のジャンピングを受け渡す。30分の苦闘の末ボルトを打ち込んだ。壁のグレードは4級と言ったところだ。ブッシュ帯に入りトラバース開始。途中、ルンゼやスラブが現われルートファインディングに苦労する。やっとの思い出河原に降りた。

16:00 御月山沢出合手前の河原
 何だか知らないがとっても時間が掛かった。そして疲れた。入山時はファイトがみなぎっていたのでここまであっという間に感じたが。今の自分はとても長く感じる。行けども行けどもデトノアイソメは出てこない。いよいよ辺りが暗くなったので河原の広いところで行動を打ち切る。

10月13日(月) 曇りのち豪雨

6:00 出発
 明るくなり、周りを観察するとここがどうもデトノアイソメのようだ。ふみ後を辿り十二平に戻る。十二平から駐車場に戻る頃から雨が降り出した。車で六日町を通り過ぎる頃には豪雨となりフロントガラスに雨が当たり前が見えないくらいだ。つくづく撤退してよかったと思った。この豪雨の中沢登りをしていることを考えると身震いがする。

御月山沢出合手前に架かるスノーブリッジ
右側にシュルンドが口を開けていた。

シュルンドが崩れた

御月山沢出合付近から北沢を臨む。
奥にはまだ雪渓が残っている。
通過に時間が掛かりそうだ。

オカメノゾキの稜線

御月山沢出合のスラブを懸垂下降する。
帰路はこれを登り返せなかった。


西沢出合からの連瀑帯右岸をトラバースすることになるが悪そう。

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