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川崎山岳会アマチュア無線クラブ  JN1ZUO

 山での通信手段は携帯電話と無線機が使われております。山でトランシーバ(無線機)を使うには免許が必要なアマチュア無線と免許不要な CB(市民バンド)があります。山での通信について川崎山岳会での状況と問題点等をまとめてみます。

◆携帯電話について

 携帯電話はアンテナ設置が極端に少ない山域では使えませんが稜線上では結構使え、北アルプス槍ヶ岳や南アルプス北岳でも通じる場所があります。これは日本の高速道路が日本アルプスに沿って建設されており、高速道路沿いにアンテナが設置されているからです。携帯電話が 800MHz 帯、 1.5GHz 帯、 2.0 GHz 帯という直進性の強い周波数帯が使われているため、高度の高い山の上では送受信できることがあります。しかし高速道路や集落から離れている山域や谷筋では全く使えません。

 PHS も下界では使われておりますが、周波数も 1.9GHz 帯ですが出力パワーが小さく山では全く使えないと思って良いでしょう。

 山頂での景色を写真に撮り、自宅の家族や友達に送る楽しみには携帯電話が使える場合があります。また、下山した場所からタクシーを呼んだりすることも出来ます。最近の携帯サービスでは天気図や雨雲レーダーを映像で表示できますので携帯電話は気象情報の端末としても役に立ちます。

 しかし緊急時の通信手段としては保証されていないと思ったほうがよいでしょう。

◆ CB (市民バンド)

 CB 市民バンドは 27MHz 帯で免許なしで使えることで昭和 40-50 年代に使われていました。川崎山岳会でも SONY 製のリトルジョンという無線機を使っていたことがありました。しかしその大きさが 1 リットル近い容量があり極地法といわれる BC と前進基地との通信に使った程度でした。

 電池も単1か単2を 4 本位使用するため重くて重くて大変な代物でした。大出力の違法電波を出して走る長距離トラックの妨害電波で使いにくいこともあり、廃れて、いまでは山で使っているパーティはほとんど見かけません。

◆アマチュア無線

 アマチュア無線はその使用周波数と送信出力によって 1 級から 4 級まで免許の種類がありますが山で使うだけでしたら 4 級で十分です。山で良く使う 150/430MHz 帯が使え 10W まで送信できますので4級で十分です。 4 級の場合国会試験を受けたくない人は講習会( 2 日間で 22000 円程度)で取得することもありです。

 150/430MHz 帯の周波数は直進性もそこそこありますし、山の裏側へ迂回してもくれます。 150/430MHz 帯の無線機は 2W クラスで 250g 程度と昔の無線機に比べると非常に軽く使いやすくなっています。実際どのくらい離れた距離で通信が可能かというと答えがちと難しい。富士山の山頂からは 430MHz でも東京都内と通信可能ですし、丹沢の沢登りのメンバーと表尾根のメンバーで通じないこともありました。後立山連峰の縦走路から剣岳は見え 10km くらいの直線距離ですが楽に通じます。アンテナ、出力、周りの状況などによって一概に飛ぶ距離は決まらないと思っています。

 川崎山岳会では 150/430MHz 帯のトランシーバを使っております。

 アマチュア無線は業務用に使うことは出来ません。このため山小屋や警察などと直接通信することは出来ません。天候が悪くなり予約した山小屋に連絡しようとしてもアマチュア無線では出来ません。緊急時も防災ヘリの要請もアマチュア無線仲間を介して要請してもらうしかありません。もし携帯電話が通じるなら 119 番を直接呼び要請すべきでしょう。携帯電話で緊急時連絡をする場合注意すべき点は県境近くでは電波をどちら側の県で受信しているかがは分からないことです。自分の位置がA県でも必ずしも A 県で受信していると限りません。B県で受信していることもあり行政側で連携していないと他県にヘリを飛ばすわけにいかないといった問題が生じる可能性があります。まさか他県の地図が無いといったことは無いと思いますが・・。

 このように山ではアマチュア無線と携帯電話の併用が基本のように思っております。アマチュア無線は仲間同士の通信で使い、携帯電話は使えるところで情報端末として活用し、いざというときはアマチュア無線でも携帯電話でもつかえる手段はなんでも使っていくというのが実際でしょう。 

以上

( 2006/9/8 KSK  布田)

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