2020夏合宿(2) 薬師岳&黒部五郎岳

メンバー:

内山(葵)L、内山(克)、寺島、阿部、伊東、計5名 <山行距離:合計約40.6km>

日程:

■2020年8月8日~11日:折立~薬師岳・黒部五郎岳 ピストン山行

行程:

8/ 8:川崎に早朝4:00に集合し出発、折立キャンプ場到着11:50、テント泊
8/ 9: 折立キャンプ場(1350m)05:00出発~三角点~太郎平小屋~薬師峠キャンプ場(2294m)テント設営10:30
薬師峠キャンプ場11:00~薬師岳山荘~薬師岳山頂(2926m)13:40~薬師峠キャンプ場15:30・・・テント泊     山行8時間40分:13.4km
8/10:薬師峠キャンプ場(2294m)5:00~太郎平小屋~太郎山~北ノ俣岳(2661m)~赤木岳(2622m)~中俣乗越
~黒部五郎の肩(2770m)~黒部五郎岳(2839m)山頂10:10~北ノ俣岳~薬師峠キャンプ場15:30・・・テント泊     山行10時間:19.6km
8/11: 薬師峠キャンプ場(2294m)出発7:30~太郎平小屋~五光岩ベンチ~三角点~折立キャンプ場11:00     山行3時間20分:7.6km

今年は8月に入ってもなかなかすっきりしない長梅雨だったが、なんとか夏合宿に出発する日までに梅雨明けを迎え、8/8に折立に向かって早朝に出発。お盆真っ盛りとはいえ、コロナ禍のため、想定以上に道は空いており、500キロの長い行程ではあったが、お昼前には折立キャンプ場に到着。折立キャンプ場は無料ではあったが、綺麗なトイレも炊事場も設置してある快適なテント場だった。早く着いたためか、まだ2-3個しかテントが張っていなかった。早速、テントおよびタープを設営し、内山夫妻カーの到着を待つ。2時間後合流し、親睦と明日からの山行の成功を祈って、合宿前のささやかな宴を開催。夕食時にキャンプ場の横に設置してあるテーブルのところに熊が出没し、一時騒然となっていたが、すぐにいなくなった模様。キャンプ場の周りに熊避け用の電気柵が張り巡らしてある理由が良く分かった。次の日の行程の長さを考慮し、早々に就寝した。

8/9夜中のうちにパラパラ雨が降っていたようだが、朝にはなんとか雨も止み、朝5時に折立のキャンプ場を出発した。出だしから一気にガシガシと急登を登っていく。みんなの分の焼肉を背負っていたため、ザックが重く、多少遅れ気味でついていく。樹林帯を抜けると、空が開けた標高1871mの開放的な三角点のベンチに到達。残念ながらガスっているため、展望は望めず。最後の樹林帯を過ぎると、木道、石畳、木の階段と、整備された快適な広々とした草原の道になり、10時過ぎには太郎兵衛平の小屋に到着。太郎平小屋の辺りには、我々を迎えるように、ニッコウキスゲが咲き誇っていた。小屋から太郎兵衛平を通って薬師峠のキャンプ場までは、整備された、気持ちよ良い木道だったが、まだガスっており、相変わらず展望はあまり望めず。テント場に着くと、既に20テントぐらい設置されていたが、まだまだ余裕があり、ちょっと高台のところにボンボンテントを設置。

薬師岳は相変わらず、深い霧の中だったが、早く着いたので、薬師岳に登ることにし、11時に出発。出だしから、大きな岩場の涸れた沢を登るような急登を1時間ぐらい登ると、チングルマが咲き誇る、なだらなか尾根に出る。しばらくすると、綺麗で立派な薬師岳山荘に着く。中を覗いてみると、まるで旅館のような山荘だった。いつか、こんなところに泊まってみたいものだ・・

薬師岳山荘からは、霧も深くなり、また風も強くなったため、雨具を取り出し、フードを被って、更に稜線をジグザクに登っていく。しばらく登っていくと、霧の向こうに、祠のようなものが見えてきて、ようやく山頂についたのかと思いきや、東南陵の分岐にある壊れた避難小屋だった。更に15分くらい登っていくと、薬師堂がある、薬師岳の山頂に着く(13:40)。山頂では、濃い霧の中、風速15mぐらい吹いているのではないかと思うぐらい、風が強いため、登頂記念写真を撮って、タッチアンドゴーで下山した。

薬師岳山荘辺りまで下山すると、霧が晴れてきて、テント場に着く頃にはすっかり晴れてしまった。ようやく明日の景色に期待が持てそうだ。テント場では、薬師岳の山頂に行っている間に、テントを張るところがないぐらい、密になっていた。太郎平小屋からテント場まで20分、往復40分かかったが、太郎平小屋の出張小屋をキャンプ場に出してくれていて、テントの受付からビールやジュースの販売までやってくれているので大変助かった。早めの夕食にラザニアとポトフを作って、薬師岳の登頂のお祝いをささやかにして、翌日の長距離山行に備えるため、早々に就寝した。

★風速15mぐらいの中、薬師岳に登頂!(8/9 13:40)タッチアンドゴーで下山。回りは爆風と霧の中。

▼夕焼けの薬師峠キャンプ場、テント密です!

▼テントの裏庭で、下山後の宴!

8/10夜中に星空を見た時に、星が落ちてきそうなくらい、満天の星空だったにもかかわらず、翌日は少し雲の多めな朝だった。
本日は往復20キロと行程が長いため、早めに起床し5時にはスタート。北ノ俣岳の頂に着く頃には、また、すっかり霧がかかってしまった。霧が出ていたせいか、赤木岳を過ぎた辺りに、ライチョウの雌に遭遇!この辺りぐらいから、だんだん霧も晴れ、景色も見え始めた。山のピークを3つも過ぎたが、歩けど歩けど、なかなか山頂に着かない。気づくと既に10キロ近く歩いていた。

登っている最中は、山頂も霧で隠れていたため、分からなかったが、実は山頂までかなり距離があったようだ。歩き始めから5時間たった、10時過ぎに、ようやく黒部五郎岳の山頂に着いた(10:10到着)。黒部五郎岳の山頂に着いた頃から、どんどん霧が晴れて、昨日全く全貌が見えなかった薬師岳も、赤い大きな牛のような赤牛岳や水晶岳もくっきりと見え。360度のパノラマが鑑賞できた。

もっと景色を堪能したかったが、15分ぐらい北アルプスのパノラマを鑑賞して、10:30には下山を開始。行きに全く見えなかった景色が、帰りにはお腹いっぱいになるくらいの景色を堪能しながら、下山できた。下山途中に、薬師岳の奥に、雄々しい剱岳までも望めた。薬師峠キャンプ場から黒部五郎岳のピストンは、往復20キロと、とても長い道のりだったが、本当に見どころの多いところだった。最後の晩餐は、薬師岳および黒部五郎岳の、百名山二山登頂達成ということで、焼き肉パーティーと前日の余ったポトフで締めた。

8/11は、折立キャンプ場までの下山だけなので、朝はちょっとゆっくりして、7時半に下山を開始。太郎兵衛平からは、富山湾までも望め、限りなく北陸側にいることを実感した。サクサクと下山し、11時には折立のキャンプ場に到着。帰りは、平湯経由で温泉につかって、3日間の汗を流した。お盆の真っ只中だったが、帰りの高速も渋滞もなく、帰ることができた。

2200mのキャンプ場は涼しくて快適だったが、地元の川崎に帰り、改めて灼熱地獄の暑さを思い知らせれ、すぐに山の上の涼しさが恋しくなった。今回の山行は、天候が不安定の中、取りこぼしていた、薬師岳と黒部五郎岳の、百名山二山登頂達成ができて、有意義な夏合宿でした。ご同行の皆様、本当にお疲れ様でした&楽しい山行を有難うございました。
内山夫妻の新人阿部さんへのフォロー完璧でした!

【内山(葵)Lのコメント】
今回の夏合宿は、本隊である沢隊が、上の廊下という事で、別動隊として、北アルプス付近で山行を計画したが、世間は新型コロナの真っ只中。山行を実行するかの可否は、いつもなら、天気予報と睨めっこだが、今回は、ニュースでの新型コロナ状況や、各山小屋やテント場の営業状況、参加メンバーの体調を確認しながら、山行の実行の可否を決めた。結果、天候にも恵まれ、計画していた山へ登頂する事ができ、新人阿部さんの力強い力量も知る事ができて、山行後も体調不良者もおらず、良かったが、新型コロナ渦でのパーティー山行の難しさを感じた部分もあった。
しばらくは、このような状況下での山行が続くかもしれないが、様々な状況を見ながら、山を楽しんで行きたいと思った。

★黒部五郎岳の頂上から薬師をバックに。実は内山夫妻と阿部さんが手を振っている。

★8/10 黒部五郎岳の山頂にて快晴なり!長かった~~。

▼黒部五郎岳の肩にて。天気も良く、登頂達成感で楽しそう!

【内山(克)さんのコメント】
個人的には久しぶりの数日間の山行、他の参加メンバーに迷惑を掛けずに歩けてよかった。山行中(車移動中も含め)に熊を2回、目撃した。初めての体験だ。登山道で雷鳥も目撃した。これも初めての体験だ。下山日の朝、テント場で2回目の雷鳥との遭遇!かなり興奮した。が、寺島さんによるとキジバトとのこと。残念ながら、2羽目の雷鳥はなかった。そんなこんなで、肝心の山はそれほど印象に残らなかった。

【寺島さんのコメント】
今回、薬師岳は霧や強風だったが、黒部五郎岳では次第に晴れて劔岳や富山湾まで見ることができた。ニッコウキスゲやチングルマが咲いており、黒部五郎岳の道中で初めての雷鳥も見ることができた。新人の阿部さんも体力は十分あり、テントも軽々と持てそうだ。私の肩の荷も下りるかも知れない!?

【阿部さんのコメント】
初めての合宿参加で最後まで遅れずについて行けるのか不安と緊張でいっぱいでしたが、皆様のサポートの下無事に終えることができました。ありがとうございました。登山用語や会の歴史、トイレ事情まで、様々な事を教えていただき学びの多い合宿となりました。これから知識と技術を身につけて色々な山に行きたいと思いました。今後ともどうぞ宜しくお願い致します。

▼ライチョウ、発見!

★チングルマと薬師岳

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