2017年夏合宿

日程

2017年8月10日(木)~8月13日(日)

メンバー

L望永、中野、増田、大塚(記録)

行程

4年ぶりの剱岳での夏合宿となった。増田、大塚は初の剱合宿。ベテランの中野、望永が一緒であるため不安はないが、合宿が近づくにつれ天気予報はどんどん崩れていく。停滞になっても退屈しないようにと飲み物、ツマミを追加したら直前にザック重量は30kgほどになった。

■2017年8月10日(木)
4:00立山駅着、6:00ケーブルカー乗車、7:10室堂、高野さん夫妻と合流、7:40室堂発、10:25別山乗越、11:10剣沢キャンプ場、11:40剣沢キャンプ場発、12:25平蔵谷出合、13:00長次郎谷出合、13:30真砂沢ロッジ、14:20長次郎谷出合、14:50Ⅰ・Ⅱ峰間ルンゼ偵察、16:25熊ノ岩

前夜川崎を増田大塚が出発し、竜王駅で望永と待ち合わせ、当日朝に中野が合流し、始発のケーブルカーに乗り込んだ。美女平でバスに乗り換え室堂を目指す。天気は良く2時間睡眠の目には眩しすぎて意外と眠れない。
室堂で前日入りしていた高野夫妻と合流。記念撮影などして雄山方面へ向かう高野パーティと別れる。閉鎖されている地獄谷を迂回し雷鳥沢キャンプ場まで下り別山乗越への登りにかかる。日差しが強く暑くて汗が噴き出してくる。気が付くと先行しすぎてしまい反省しながら皆を待つ。

別山乗越から八つ峰を確認する。Ⅰ・Ⅱ峰間ルンゼと思われる場所に雪渓が見える。その上に雪のブロックがひっかかっているようで明日に不安を感じる。乗越を超えると少し気温が下がり快適となる。剱沢キャンプ場もまだテントは少ない。そうまだ今日は平日だと少し仕事を思い出す。
野営管理所で情報収集。各所の雪渓は日々変化しているので最終的には現場判断となるが、Ⅰ・Ⅱ峰間ルンゼは見る限り危険な状況だろうと話しており、明日に不安を感じる。

行動再開。平蔵谷を見送り、長次郎谷出合に到着。落石跡が多くみられる。真砂沢ロッジを往復(今後の下見)した後、長次郎谷へ入る。Ⅰ・Ⅱ峰間ルンゼを出合から暫く観察するが、見える範囲が少ない遠目に確認した雪のブロックが見えず判断できない。天候も悪化しつつあるので熊ノ岩に急ぐ。谷に入ってすぐに見えた熊ノ岩。すぐそこにあるようだがなかなか着かない。何度も休憩。まだ着かない。目の前まできてまた休憩。もうすぐだが着かない。16時過ぎにようやく到着しテントを設営。ひとまず乾杯していると雨が降ってきた。明日の予定を相談する。皆で悩む。ここでdocomoの電波が入ることを発見。最新天気予報を入手すると、明日は午後から雨。予定の八ツ峰縦走ではなく、午前中にⅥ峰フェース登攀の計画とした。

■2017年8月11日(祝)
4:30起床
【中野・増田】Dフェース富山大ルート
5:40行動開始、6:30取付、11:00Dフェースの頭、12:00Ⅴ・Ⅵノコル、12:30熊ノ岩

【望永・大塚】Cフェース剣稜会ルート、Aフェース魚津高ルート
5:30行動開始、5:45Cフェース剣稜会ルート取付き、6:15登攀開始、8:45終了点、10:00Ⅴ・Ⅵのコル、10:30Aフェース魚津高ルート取付き、12:20終了点、13:15Ⅴ・Ⅵのコル、14:00熊ノ岩

少し油断した。テントを出ると既にCフェースに取付いているパーティがいる。取付き3番手。真砂沢から出発した学生パーティに続き、登攀開始。大塚トップで1ピッチ目。どこでも登れそうだが、朝一なので簡単なルートを選ぶ。途中望永のアドバイスを受けながら登る。2ピッチ目は望永トップ。20mほどでコールがかかる。3ピッチ目大塚トップ。少し濡れたフェースを登る。名物ナイフリッジの直下までと指示を受けたが、途中からロープの流れが悪くなり、登ると身体が剥がされそうになりピッチを切る。4ピッチ目の名物ナイフリッジは折角だからと再び大塚トップ。確かに高度感があるが、岩が安定していて、先月の北岳バットレスの水平リッジよりだいぶ安心感がある。そのまま通常の5ピッチ目もつなげて登るが、あと3mほど終了点というところでロープが足りなくなってしまう。3ピッチ目で水平リッジの直前まで登っていれば足りたことになる。望永に少し登ってもらい、終了点へ。隣のDフェースでは中野・増田パーティの動きがよく見える。Cフェースと比較するとだいぶ難しそうだ。まだ数年先だなと感じる。

少し休憩後に下降開始。望永の先導でⅤ・Ⅵのコルが見える下降点へ移動。初見では辿り着かない可能性ありと個人的には感じた。先行の学生パーティの下降をしばらく待つ。先に下降したメンバーとのコミュニケーションがうまくできずにいるようで望永がフォローに入る。40分ほど待ちようやく下降開始。50mほぼいっぱいでコルに到着。ここでロープ引き抜き時にスタックさせてしまう。引っかかりそうだなと感じた場所。3mくらいの高さだから引っかかたら取ればいいと油断から余計な時間を費やし反省。

Aフェース魚津高ルートの取付に移動。学生パーティは中大ルートで準備中。どうやら中大生らしい。ここでアイゼンとピッケルをデポして1ピッチ目大塚トップで登攀開始。Cフェースに比べてだいぶ立っている。3mほど登りハング下へ。ハング下は濡れて水も滴り落ちている。少し緊張した登りで右上へ抜け凹角を登りきり、左にトラバース。途中ハーケン乱打ポイントがあったが、足元不安定のため少し先のテラスでピッチを切る。これが失敗、ロープの流れが悪くなり、声も届きにくくなってしまった。2ピッチ目も大塚トップでカンテを超えクラックを登る。1ピッチ目より大分楽しく登れる。最終ピッチは望永トップで終了点へ。雨は少しぱらついたが何とか降られずにすんだ。踏み跡をたどり懸垂下降点へ。最初は這松のトンネルを潜りながら、Ⅴ・Ⅵのコルへすんなり下降。

アイゼン・ピッケルを回収しテントへ帰還。乾杯しようと思ったら中野・増田は明日の八ツ峰縦走の為に下見に行くという。ちょっと迷ったがお任せして乾杯。

そういえば今日から3連休。熊の岩もテントが増えてきた。到着してすぐに登りに行くパーティも。頑張るね~と思ったら雨となった。偵察組も引き返してきた。雨が強くなってきた。期待していた明日の天気も雨だった。八ツ峰縦走はここで断念。明日は雨が止んだら長次郎谷右俣経由で本峰を経由して剣沢キャンプ場に移動することとした、


●Cフェースでの望永


●Dフェースを登る中野・増田パーティ

 

■2017年8月12日(土)
4:30起床、雨のため停滞、11:00テント撤収、長次郎谷左俣経由で本峰を目指して行動開始が再度雨のため撤退を決定、15:30剣沢

雨は日付が変わった頃に止んだ。剱沢や真砂沢から続々とパーティが上がってくる。Cフェース取付きはすでに順番待ち。雨がまた降り始めた。富山各所に大雨警報が出ているようだ。強い雨の中Cフェースは登攀パーティが数珠繋ぎとなっている。雨はなかなか止まない。雨雲レーダーを見ながら時を過ごす。

11時雨があがる。テントを撤収して長次郎谷左俣経由で本峰を目指す。数分してまた雨。レインコートを着用するが、雪渓の状態も悪く撤退を決定。長次郎谷を下り、剣沢キャンプ場を目指す。剣沢へ出ると雨も上がり、平蔵谷出合いで青空も見えるようになった。
剣沢キャンプ場は大賑わい。混雑していたが、なんとかテント設営スペースを見つける。明日は晴れるようだ。早朝に別山尾根を往復し下山する計画とした。

この夜は暑かった。暑くてとてもシュラフに入れる状態ではない。周辺の会話や音も気になる。急に都会に来た感じだった。


●長次郎谷の下降

 

■2017年8月13日(日)
2:30起床、3:30行動開始、6:10剱岳山頂、8:30剣沢キャンプ場、片付け、10:00剣沢発、13:00室堂、14:30立山駅

3:30前夜に用意したおにぎりなど食べて行動開始。まだ動いているパーティはそれほど多くない。が、剣山荘からは人が増え渋滞気味となる。しかし、ほぼ休憩なしで歩き続けたため、徐々に混雑から抜け出すことができた、剱岳南壁に数パーティ取付いているのを確認した。最後に頂上に上がれるのは良さそうだ、いつか計画してみたい。

 

6年ぶりの剱岳山頂。6年前と同じ好天の頂上。最終日だけでも晴れてよかった。
下山はすれ違い渋滞が予測されるため、ベテラン中野を先頭に下る。遠慮していては下れない。どんどん下る。8:30剣沢キャンプ場。朝飯前山行であった。
装備を乾かしながらゆっくり合宿の片付けをした。

 


●熊の岩にて

 

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