冬合宿 槍ヶ岳 中崎尾根より

日付

2015年12月28日(月)~2015年12月31日(木)

山域

北アルプス 槍ヶ岳

メンバー

L大塚、中野、望永、内山、増田

記録

増田

概要

2015年の冬合宿は中崎尾根経由で槍ヶ岳を目指しました。例年の冬合宿はスタートから頂上まで猛ラッセルで奮闘していた為、今回も猛ラッセルを強いられると覚悟の上臨みましたが、想定外に多くの人が同ルートへ入っていたためトレースがばっちりと作られており、終始ラッセルは皆無でした。そのため、計画よりも1日早い下山となりました。また、入山時から頂上アタックの期間は快晴で、夜中も風が無く非常に快適な冬山登山を味わえました。

行程

12月28日(月)

【行動時刻】

登戸駅23:30出発~4:00頃道の駅に到着就寝
12月29日(火)

【行動時刻】

6:00道の駅出発~7:00頃新穂高温泉到着~7:30新穂高温泉出発~8:50穂高牧場~11:50滝谷出会~13:00槍平~15:00中崎尾根上幕営地着

【行動内容】

今年の冬は気温が高く、八ヶ岳、南アルプスでも積雪量が少ないと情報が入っていましたが、流石に北アルプスともなればそんなことないと思い入山しました。確かに積雪量は少ないのですが、それよりも中崎尾根への入山者が多く、トレースが付いていたことがもっとも今回の山行に影響が大きかったと思っています。この日は、槍平まで大塚さんと増田はスノーシュー、その他はツボ脚で行動しました。スノーシューの浮力が必要で使用したのではなく、どうもこの先出番が無さそうだと思い、折角なので使用しただけでした。
槍平から中崎尾根への登りは大塚さん、増田以外はアイゼンとピッケルで登りました。急でしたが、トレースのお陰で階段状になっており難なく登り終えました。スノーシューの大塚さんと増田は若干苦戦するものの難なく登りました。そこから、30分ほど広い尾根上を歩き尾根上の樹木のそばに幕営しました。東方面の景色が素晴らしく、無風快晴の快適な夜を過ごしました。

新穂高温泉を出発
滝谷出会
滝谷出会
槍平
槍平

槍平から上り詰めた地点から東方面の景色(槍ヶ岳~北穂高方面にかけて)

槍平から中崎尾根へ登りつめたところに旗竿

幕営地

序盤の中崎尾根は幅広くビバーク適地
12月30日(水)

【行動時刻】

6:30出発~7:50千丈沢乗越~9:30槍ヶ岳山荘~10:00槍ヶ岳頂上~(槍ヶ岳山荘避難小屋にて休憩)~14:30テント着

【行動内容】

出発した時点で気温は約-17度、千丈沢乗越付近まではほぼ風は無いものの寒く指がかじかみ痛かったです。1~2週間前からビタミンEを摂取していた中野さんと望永さんは指が痛くなることは無かったとのこと。そんなに効果があるなら自分もやってみようと思いました。前夜の降雪が無かった為、トレースは消えることなく槍ヶ岳まで続いていました。
途中、飛騨沢へ迷い込みそうなポイントで竹竿を一本指し込み、帰りに視界が効かなくなった場合に備えました。千丈沢乗越から槍ヶ岳までは通常はよく風が吹く様子でルート上に雪があまり付いておらず、すごく寒く感じました。
槍ヶ岳山荘に到着し少し休憩をして槍の穂先を目指すが、私はとても寒く感じて穂先をあきらめてしまいました。増田を除いたメンバーで穂先を目指し往復1時間も掛からない程度で行動しています。私はといいますと、避難小屋で行動食を食べ、穂先への渋滞を小屋の窓から眺めていました。すると、徐々に渋滞が無くなり、体力が回復して寒さは感じなくなり、風が収まっていき、諸々の条件が良くなってきたため、皆さんの出発後30分経ってから避難小屋を出て穂先を目指しました。途中、大塚さん望永さんとすれ違い穂先を目指す旨伝えて頂上へ登りつめました。頂上では、見事な快晴で爽快、学生山岳部の人たちが大勢で集まり喜び叫び、頭上を戦闘機が猛スピードで飛びぬけるサプライズもあり、気分が高揚する楽しい時間でした。その後、避難小屋で皆さんと槍ヶ岳登頂を喜び合いテントへ向け下山しました。午後からは風が収まり寒さを感じない穏やかな天気で気持ちよくテントへ戻りました。

笹ヶ岳方面の景色

槍ヶ岳山荘までの登り

穂先から槍ヶ岳山荘の眺め

槍の穂先

西鎌尾根
12月31日(木)

【行動時刻】

6:30出発~8:00槍平~11:00新穂高温泉

【行動内容】

前夜は風が無く積雪3~5センチ程度の降雪がありました。積雪による行動への影響は特にありませんでした。天気は曇りで前日までの快晴は本当に運が良かったと思います。下山は登りの約半分の時間で快適に下ることができました。

【感想】

中野
今回は天候が良くて全くプレッシャーのない楽しい山行ができました。
少し物足りない気がしますが、敗退続きだったので、こんな天候に恵まれた山行もたまにはいいなぁと思っています。
大塚
今年は天候に恵まれ目的の達成と素晴らしい景色を堪能することができました。
今回は仕事の調整の方が核心で、無事合宿に参加でき、楽しい山行を過ごすことができてよかったです。冬合宿といえば毎年風雪の中のラッセルでしたが、たまにはこんな年があってもよいのではないでしょうか。
望永
川崎山岳会に入って5回目の冬合宿。
やっと憧れの北アルプスの蒼と白銀の世界に浸ることができました。
いつものメンバーと登る山は、心からの安心と信頼に包まれていました。
これまでの北アルプスは、厳しくて、寒くて、辛くて、怖い顔しか見せてくれませんでしたが、こんな素晴らしい笑顔の北アルプスに出会える日がきたことを本当に嬉しく思っています。空の深い深い蒼さ。最高の時間をありがとうございました。
増田
久々に冬合宿へ参加しました。それ以前に、久々の山でした。気持ちは登れど体力がついてこないのを実感してしまいました。しかし、本当にいい山行でした。
内山
今回の冬山合宿は天気に恵まれたため、とても“楽しい”山行となったように思います。
まだまだ経験の少ない私は、正直なところ厳しい状況だけを想像して当日を迎えました。春合宿では先行する皆さんより遅れて槍平に入山するも、翌日に天候悪化のため下山。11月会山行ではメンバー間で調整つかず中止。そのような自分に何ができるのだろうか、そればかりを思い悩む12月でした。
しかし結果として、それほど迷惑を掛けずに済んだということだけで十分な成果があったと思っています。今回は特殊なケースなので、今後はより厳しい状況になると思います。

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