個人山行 【立山~別山】

期日

2009年5月19日

ルート

室堂-雄山-別山-剱御前小舎-室堂

メンバー

萩原

所感

先週のリターンマッチである。天気は絶対に持つはず。前日相当飲んで酷い二日酔いだったのだが、雨男としてはこの晴天を逃してはならないとバスの中でヒッソリ吐きながらも室堂入りした。非常に天気が良く客も多いが、登山客は自分独りだった。
晴天なのに体調最悪。ベンチで10分ほど寝転がってから輝く峰に向かって歩き出した。
一之越でようやく二日酔いが醒めてきた…。
雄山山頂へ到着。体調最悪でペースが上がらなかったため、既に10人弱は上がっていたのだがタダならぬ気配。先行パーティーの1人が滑落していた。小屋の北東側の急峻な雪面カールを数100m落ちてた。途中で岩に当たったので、荷物が散乱し、上から見ても血が相当出ていた。時々動くので意識はあるようだ。警察への連絡は終わっていたのだが、何もできない自分に苛立つ。中野さんと一緒で登攀具などあれば、現場に降りて行けたが…。他はスキーと雄山往復のハイカーしかいないため、誰も何も出来なくて見守るのみである。落ちた人は韓国人パーティーの1人。お揃いのデイパックにお揃いの雨具、6本(?)の歯が小さい軽アイゼン装備だった。県警が雪上車で途中まで来て、谷から現場に歩いて向かっている様子が見えた。別に一之越廻りで山頂へ来ている班もいるようだ。この日、県警は詰めている人員が少ないらしく、救助隊は少人数とのこと。何も協力できない自分に益々苛立つ。職場へ電話してヘリの出動要請が入って無いか確認したが、その時点ではまだ無かった。
県警が到着したので後はお任せで本来の行動に戻った。雪質は先週よりかなり悪い。
先週は硬過ぎず柔らか過ぎずのアイゼンが効く雪だったが、今日はアイスから腐れまで多様。特に雄山直下の急斜面は相当硬かったので冷や汗もんだった。更にその先も雪屁状に張り出している部分や、クレバス状にヒビが入ってる所が散見。富士ノ折立下の鞍部までは緊張の連続だった。この頃ヘリが到着して上空で旋回していたが、強風のせいかホイストは断念したようだ。

真砂岳近辺から先は夏道が露出してて歩きやすい。御前小屋から事故関連で雄山へ向かう小屋番とすれ違う。周囲の小屋も総出で事故処理に当たっているようだ。別山のトラバースルートは情報どおり、いつ崩れてもおかしくない大量の雪塊(夏でも雪渓が残るあそこ)を抜けるため超危険そう。予定通り別山に登った。剱が目の前に大迫力で展開する。別山から御前小屋までは夏道と雪のミックス。何度かアイゼンを脱着。御前小屋で事故の続報を聞いた。
地上班が室堂まで降ろしてヘリで搬送したらしい。頭部裂傷だったが内臓損傷も無く命に別状無しとのことだった。

御前小屋から下は全面が広大な雪面になっている。沢も木々も何もかもが雪の下。
雷鳥沢のキャンプ場へ向かって真っ直ぐガツガツ降りた。スキーをしている人が数名。
羨ましい。キャンプ場近辺は風もなく暑い。周囲全てが雪。今日歩いてきた山々が良く見える。
雷鳥荘に向かって直登。とても気持ちが良い。遊歩道で雷鳥に出会った。今まで夏毛しか見たことなかったので、少し喜んでしまった。
第2回雪山自主トレ終了。タヌキ焼けしました。

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