個人山行 南アルプス縦走

日程

2018年7月14日(土曜日)~2018年7月16日(月曜日)

山域

南アルプス 赤石岳・聖岳・茶臼岳

メンバー

望永

行程

2018年7月14日(土)
畑薙ダム9:00-椹島10:15-赤石小屋14:30
4時30分自宅を出発し、井川へ。7時臨時駐車場到着。たくさんの人がバスを待って並んでいる。7:30の始発に間に合うようにきたが、1便目は6:30に出発したとのこと。そのバスが往復して戻ってくるのは8時過ぎというアナウンス。待っている人に尋ねると6:30のバスに乗った人は5時前からバス停で待っていたという。
ここは南アルプスであることを出だしから思い知らされる。何本もバスが出ている北アルプスとは違うことを思い直しバスを待つ。携帯電話はすでに圏外。入山の連絡をしそびれてしまった。椹島は、ソフトバンクと衛星電話の公衆電話、あとは稜線に出るまで通じないという。南アルプスは本当の山だと思った。
やっときたバスに1時間揺られ、さわら島に到着。衛星電話で会のメンバーにメッセージを残す。(ちゃんと連絡できていなかったかも…)
10:15やっと登り始めることができた。今日は赤石避難小屋までの計画だったが、出発の大幅な時間のずれで、自信をなくす。14:00に赤石小屋に着いたら、避難小屋まで行く決めて歩き始める。
赤石岳は12年前ぐらいに職場の人につれていってもらったことがある。そのときは山にはまったく登ったことがなく、レインウエアもザックも初めて揃えた。アルプスデビューの山である。この登山をきっかけに私はもっと山に登ってみたいと思うようになったのだ。
また行きたいとずっと思っていた山だったが、時間もかかる上、ほかにもたくさん登りたいところがありなかなか機会がなかった。少ない日数でできるだけ縦走するためにこの日の長い時期を選んだ。ペースも行動時間もどこまでできるか、一人で挑戦することにした。
赤石小屋までは樹林帯の急な登り。とにかく暑くペースが上がらない。こんな道だったなあと前回を思い出しながら黙々と進む。14:30赤石小屋到着。ガスも出ているし、タイムオーバーなので今日はここまで。バスチケットの関係で小屋に素泊まりとする。素泊まりの人用の小屋は新築のとてもきれいで頑丈な小屋。冬季小屋になるのか、2回からも出入りできるようになっていた。シュラフ持参だったので割引してもらえた。早めの夕食後17:00就寝。

2018年7月15日(日)
赤石小屋2:15-赤石岳4:42-赤石避難小屋5:07-百閒平6:10―百閒洞の家7:00-中盛丸山8:50-兎岳10:30-前聖岳13:00-聖平小屋15:00
1時におきて出発の準備をする。天の川が出ている。雲ひとつない星空のなか2時行動開始。今日は聖平を目指す。長い1日になりそうだ。稜線まで危ないところもなく、道もはっきりしているのでヘッドランプでも十分歩けた。涼しい時間に行動したこともよかった。稜線にでて赤石岳に到着。ちょうど日の出だった。風もなく雲海に浮かぶ富士山。これから歩く稜線、歩いてきた道が見渡せる。またここまで来れたことが嬉しかった。
避難小屋でお湯をもらい一休みして、先へ進む。百閒平、花もきれいで穏やかな稜線が見渡せる。静かでとても美しい。百閒洞の家は谷に急に現れる。水が豊富でとても頑丈な素敵な小屋だった。そこから中盛丸山までは登り。兎岳のアップダウンも穏やかな道が続く。前聖ののぼりは少しやせた尾根も出てくるが危なくはない。ただ、とにかく太陽の熱が暑い。途中あまりに暑く座り込んでしまった。行動開始から8時間以上たっている。疲れるもの仕方ない。ブドウ糖を食べて少し休んだら元気が出てまた登り始めることができた。
前聖に到着。聖平小屋を目指す。途中トランスジャパンアルプスレースの選手が追い抜いていった。8月のレースに備えて練習していて、朝三伏峠を出発したとのこと。信じられないスピード。こんな風に早く歩けたら、どこまでだっていけるんだろうと思う。選手は思ったより元気で楽しそうだった。このレースは辛く苦しい場面ばかりが映るし、私も長い山行は辛く苦しいものしか思い出せなかったが、楽しんでできる人こそが、極みの世界に行けるんだろうなあと思った。長く行動することが苦しくもなく辛くもなくできる日が、いつか来るんだろうかなどぼんやり考えながら、残りを歩いた。
15:00聖平小屋到着。13時間のコースタイムで行動できた。
フルーツポンチのサービスがあった。水も豊富でとてもおいしい。
今日はツエルト泊。実はツエルトで寝たのは谷川のビバーク1回だけ。指導員養成講座でロープを使って張る方法はやったが、ストックを支柱にする方法は初めて。モタモタしていると、ずっと同じ行程を歩いてきた方が手伝ってくれた。ほかのテントの人も見にきて、さながらツエルトの張り方講習会のようであった。
ツエルトは風もなかったため倒れることもなく一晩過ごせた。が・・・結露がひどい。シュラフカバーがなければシュラフはずぶぬれになっていたと思う。会の新しいツエルトならそんなことはないと思うが・・・軽いけれど、快適とは言えない・・・考えたほうがよいと思った。

2018年7月16日(月)
前日の疲れを少し引きずって、4時聖平小屋出発。茶臼岳を目指す。上河内岳への登りで雷鳥のつがいに出くわす。朝ごはんで忙しいらしい。大きな荷物の人2人とすれ違う。甲斐駒まで1週間かけて縦走するという。南アルプスの縦走ってこれだったよねえと思う。同じ縦走でも1週間と1日それぞれの楽しみ方がある。登山のスタイルって自由なものだ。
上河内岳は最高の景色だった。富士山が近く、荒川岳、赤石岳、聖岳すべて見渡せる。静かでとてもすばらしいところだった。
そこから茶臼岳へ。この山はあまり有名ではないかもしれないが、赤石岳に登ったあと、茶臼岳に登る計画があった。台風で中止になったが、この茶臼岳にも来たいとずーっと思っていたのだ。光・千枚・荒川全部歩きたかったが私だと5日はかかってしまう。これは次回の楽しみに取っておく。
茶臼小屋で休憩する。富士山が正面に見えて、緑が多く、水が豊富な小屋だった。
ここから下山。道は悪くはないが急下降する。横窪沢小屋で麦茶とりんごをごちそうになる。ここからは沢の下山路みたいな道が続く。ウソッコ沢と上河内沢が出合うととたんに水量が増えて滝も出てくる。所々穴が開いたつり橋を4つ通る。これまで道がよかった分苦労する。ヤレヤレ峠を経て、畑薙大吊橋へ。吊橋はあまりの長さと高さに気を失いそうになる。今回の山行で一番怖いところだった。14:00登山終了。林道を歩き、15:00駐車場についた。

ずっといきたかった地元静岡の南アルプスにやっと行けた。ひたすら歩いた。もっと早く歩けたら、もっと楽に歩けたらと、欲をだせはきりがないが、山にどっぷり浸かれた3日間だった。
今度は会の仲間と一緒に歩きたいと思った。


赤石岳山頂


百閒平からの稜線 右から中盛丸山、兎岳、聖岳


聖平のテント場 ツエルトで寝る


南からみた聖岳

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